心原性脳塞栓症(71歳 女性)

現病歴・経過等

【主訴】
話が通じない、右手の脱力

【既往歴】
48歳 子宮筋腫手術 その際に心臓弁膜症を指摘されてM病院で検査し大動脈弁閉鎖不全、
僧帽弁狭窄の診断
60歳~ O内科クリニックに通院中
心房細動+僧帽弁狭窄症兼閉鎖不全+大動脈弁狭窄症兼閉鎖不全の診断でワーファリン導入。
コントロールは良好だった。
ワーファリン(1)4T 1×M
ワーファリン(0.5)1T 1×M
ハーフジゴキシン1T 1×M
ディオバン(80)1T 1×M
フルイトラン(1)1T 1×M

【現病歴】
H25年11月19日15時20分ごろ仕事(婦人服販売)の休憩中に、急に右手に持っていた煎餅を落とした。
話しも通じなくなった。同僚がかかりつけ医に電話し、当院受診を勧められ15時58分救急車で来院。

【来院時現症】
血圧208/105mmHg、脈拍102/分、体温36.3℃
頚部血管雑音なし、心音:不整・収縮期雑音あり、肺野:ラ音なし
意識:JSC-I-AP
感覚失語
共同偏視なし、眼球運動障害なし、瞳孔左右同大
顔面神経麻痺なし
上肢バレー:右軽度回内
Mingazzini:下垂なし
指-鼻試験:失調なし
踵-膝試験:失調なし

【記述欄】
発症40分で来院、来院当初は軽度の感覚失語のみであったがその後発語もなくなり、全くコマンドに
応じなくなった。(麻痺の明らかな悪化はなかった)。ご家族の同意あり16時50分(発症90分)でrt-PA
を開始した。rt-PA終了後はややコマンドの入りは良くなったが発語、理解とも困難なままだった。
その後MRI撮影後に発語、理解とも改善していた。翌日には失語は判然としなくなりrt-PA奏功と
判断した(STの評価でも失語はないとのことであった)。ごく軽度の右片麻痺に対するリハビリテーション
を行い、入院前とほぼ同様の状態となった。

来院時のPT-INRが1.16であった。前医ではワーファリンコントロールは良好とのことであり、ご本人
も飲み忘れや納豆を食べた覚えはないとのことであった。入院翌日から前医処方と同量を継続し、そ
の後のPT-INRは良好にコントロールされていた。

【検査/処方/他】
白血球 9.09、赤血球4.87、ヘモグロビン 14.4、ヘマトクリット 42.2、血小板 22.9
PT 77、PT-INR1.16、APTT 34.0、Fbg 406、D-ダイマー 0.92
AST 40、ALT 33、LDH 334、ALP 233、γGTP 61、T-Bil 1.32、AMY 90、CPK 627
Na 141.3、K 3.91、Cl 102.3、Ca 10.0、IP 3.2、BUN 17.0、Cre 0.61、UA 4.4
TG 39、LDL-C 119.1、HDL-C 73.4
血糖 93、HbA1c(NGSP)6.0
TP 7.9、Alb 4.4、CRP 0.25
TSH 1.52、FT3 2.87、FT4 1.08
BNP 99.2

心電図:心房細動、心拍113/分、陰性T(Ⅱ、Ⅲ、aVF)
ホルター心電図:終日心房細動、心拍数平均67回、最大122、最小49回/分。ポーズなし。
心エコー
LV:contraction normal、focal asynergy(-)、拡大(-)、全周性にmild LVH(+)
LA:著明に拡大(76×60mm)明らかな血栓・もやもやエコー(-)
A弁:三尖とも肥厚・石灰化し、開放制限あり、AVA1.02cm2(連続の式)、ARⅡ~Ⅲ°(中央からjet)
M弁:no prolapse、両尖とも弁尖肥厚・石灰化あり、開放制限あり、AMLのdoming(+)
    MeanPG3mmHg、PHT175sec、MVA1.26cm2(PHT)1.74cm2(トレース)、
MRⅡ°

右心系:RA(53×42mm)、RV(34mm)、TRⅢ~Ⅳ° 、IVC呼吸変動あり、
推定右室圧23+5=38mmHg

胸部単純写:CTR65.8%
MRI(rt-PA後):DWIで左前頭葉皮質、皮質下白質に新鮮梗塞巣あり、FLAIRで深部白質に
びまん性高信号あり
MRA:左M2に狭窄?、頚部血管には狭窄なし
CT(第2病日):MRI DWIと同部位に梗塞巣あり

【退院後の方針】
O内科クリニックに通院継続
前医処方に加え ブロスターM錠20mg 1錠..【分1】1日1回:朝食後

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