株式会社エス・エム・エス後藤新社長インタビュー「ともに創り上げたビジョンは生き続けるということ」

株式会社エス・エム・エスは創業11年、東証一部へ上場し『高齢社会の情報インフラ』を創造する企業として、社会に貢献したいと強く思っております。当社は、「医療」「介護」「アクティブシニア」の3つの柱を中心に、国内はもちろん、アジア諸国にも拠点を置いております。そして2014年春、社長交代を皮切りに第二創業期という意識で、新たなスタートを切りました。今回の「GALENUSインタビュー」は、2014年春に当社の新社長となった代表取締役社長である後藤へインタビューを行いました。

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ともに創り上げたビジョンは生き続けるということ
2014年春、株式会社エス・エム・エスは『100年続く企業にする』という強い意志をより明確にするために、社長交代という大きな決断をしました。

当社は、創業当初より100年続く企業を目標に、「医療」「介護」「アクティブシニア」の3つの柱を主軸に『社会に貢献する』という経営ビジョンを掲げております。

そして我々経営陣は、株式会社エス・エム・エスを『100年続く企業』にするためにはどうすれば良いのかを常に議論してきました。

こういった時間を共有し続けると、「オーナー」であれば尚のこと、会社を続ければ続けるほど、会社をどんどん好きになり、年を重ねれば重ねるほど"もっと"やりたくなっていく。会社の経営は、いつまでたっても「キリがないものなのだ」と、感じることが多くありました。

しかし「100年続く企業」を考えたとき、オーナー自身が現役でバリバリできるのは、おそらく30年が限界であろう、という期限があります。

だからこそ、その期限のあとにも通用する『ビジョン』を、客観的、戦略的に構築してきました。そして今では、当社の『ビジョン』を具現化することが、社会に貢献するための『産業の創造である』という強い信念につながっています。

ところで会社は、オーナーが優秀であればオーナーが存命のうちは続くはずです。オーナーの資質やビジネスセンスに担保された『事業』と、その事業を『やりきったかどうか』という掛け合わせで「会社の懐」が決まり、そして、新しいビジネスモデルが少しずつカタチになっていきます。


当社のビジネスモデルは「高齢社会の情報インフラを創る」という『見えないもの』を創造することです。そして、我々のビジネス・ドメインは「シニア・マーケティング・システム=SMS」であり、「高齢社会の情報インフラ」という産業を創造することにあります。

そのひとつが、当社で比較的大きな「人材紹介」という事業です。事業開始当初、医療業界にも、介護業界にも顕在化していなかったこのビジネスモデルは、今では様々な医療・介護事業所でご活用頂き、現在のトレンドからも数十年単位で必要とされる事業であると分析しています。

こういった必要とされるビジネスモデルを生み出し続けるために当社では、「事業をぽこぽこ生み出す」を合言葉に、創業以来27の事業を興してきました。そして今も、新しい事業が次々と準備段階に入っており、この流れが、我々の信念である『産業創造』につながっています。

ところで、日本は世界に先駆けて、超高齢社会という未知の領域に踏み出しました。

その中で我々が言う「産業創造」は、すでにあるビジネスモデルに担保されたり、強力な商品が手元にあったりという後ろ盾はなく、不確実性を追い求めるところに価値があります。

だからこそ、経営者も、経営陣も、重職を担うチームも、経営に携わるメンバーは常にイノベーティブであることが強く求められます。

そして、イノベーションを起こせるのは「人」でしかありません。だからこそ、イノベーティブな人材の重要性が、今後ますます大切になります。

ここでひとつの疑問が生じます。この「イノベーティブ」な領域は、人に依存する傾向が強いですから、イノベーティブな経営者が退いた途端に立ち行かなくなるのではないか? という命題についてです。

この「命題」に対する答えのひとつは、当社が取り組んできた強力な『ビジョン』であり、このビジョンを継承するための人材の発掘であり、育てるということだと思います。そして、このビジョンを具現化できる組織の育成が、とても大切であると思います。

おそらく、創業者である諸藤は、会社の発展と社会貢献を考えたとき、強力なビジョンと具現化する推進力があれば、それが会社のアイデンティとなり、イノベーティブな経営者に依存することなく、会社が発展すると考えたのかもしれません。

事実、我々が「曼荼羅」と愛称で呼んでいるビジョンの具体図は、社員の進むべき方向の道しるべになっており、ビジョンを実現するための様々な感覚の継承者は『SMS人』と称され、アイデンティティとして息づいています。

※ビジョンの具体図はこちらから

だから、10年という単位を一つの目安に、会社の発展と「高齢社会の情報インフラ」という産業創造、そして社会貢献のため、世代交代という決断に至ったのではないだろうかと、こんな風に思うときがあります。

140909_gotou2.png僕がエス・エム・エスを選んだ理由

話は少しそれますが、僕が入社するきっかけは、検索サイトでたまたま見つけた諸藤のインタビュー記事を読んだことでした。

「自分より2歳若いヤツが、インタビューでたいそうなことを言っている」と。

そしてすぐに「こういう人間と仕事をしなければならない」と、衝撃に近い感情を持ったことを今でも覚えています。

入社時の面接では、その衝撃が真実であったかどうかは判断できませんでしたが、少しずつ一緒に仕事をしていると、だんだんと理解が深まり、さまざまな視点を持ち、そして考えるようになりました。

少しずつ自分の担う領域が広くなり、責任が重くなってくると、言葉ではよく聞いていた「100年続く会社」というものに対して、当事者意識が強くなりました。そして気づくと『真剣に考えること』が日常になり、有意義な毎日を過ごせるようになっていました。

こういう貴重な数年間を、創業者とともに過ごしてきた中で、社長就任の打診があったとき、社長をやりたいとかやりたくないとか、そういうことではなく「断ったら、自分たちが一生懸命考え、やってきたことを崩すことになる」、そして「創業者を裏切ることになる」と思い、今に至っています。

創業者とともに過ごした有意義な時間は、創業者をより理解するためのものであり、その思いを引き継いだ経営者として、今後、助けになることがあるだろう、と感じています。


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世代交代を考えるとき

経営者の交代を考えるとき、さまざまなリスクが存在します。

経営者依存が強ければ、交代後、事業か続くかどうか一気に不安が広まりますし、不用意な噂が飛び交えば、無用な派閥化が起き、業務に支障が出る場合もあります。はたまた、バトンを渡す後任が、期待レベルになっているかどうかも気を揉むところだと思います。

当時、私たち経営陣には、退任の意向はあるものの「いつやめる」「誰にする」などの具体的な話はしないと言われていました。偏った話になってしまえば当然、真意ではなくなってしまうからです。

また、いろいろな経営上のリスクを考えたとき、不確定な情報を露出させないほうがよいという判断から、この件について、経営陣以外に情報が出ることはありませんでした。

こうなると、意思決定が少しずつ、経営TOPから経営陣へ移行し始め、経営陣内で議論が平行線になれば、どうしても意思決定に遅れが生じます。現場のスタッフは「早く決めて欲しい」と、イライラしていたと思います。

しかし、こうした緩衝材とも言うべき期間があったことで、経営陣同士の意思疎通や考えが改めて理解でき、創業者の苦渋や決断にも思いを馳せられるようになりました。そしてそれが、現経営陣との絆に結びついているのではないかと感じています。


140909_gotou.pngエス・エム・エスを思うとき

今、社長と兼任で介護領域も管轄しています。以前は海外事業を担当していたので、介護領域は不勉強なところがあります。ですから、まずは現場のみんなにまみれて、いろいろと勉強していますが、現場スタッフはプロフェッショナルばかりですので、毎日叱られてばかりです。一応、社長なのですが(笑)。

創業から11年、「100年続く企業」になるために私たちは「誠実・情熱・プロフェッショナル」の3要件を大切にしてきました。今、経営者として現場に向き合うと、この3要件をクリアしている人材が多いことを改めて感じ、今までのプロセスは間違っていなかったと実感しています。

相手が社長であっても叱れる、情熱とプロとしての誠実さをぶつけてくるスタッフが多いことが、ひとつの証明になっています。

今後も、今までの良いところを踏襲し「高齢社会の情報インフラ」という産業創造から、社会に貢献していきたいと思っています。


株式会社エス・エム・エス代表取締役社長 後藤夏樹 プロフィール140909_gotou8.png
平成16年4月 アイ・ビー・エムビジネスコンサルティングサービス㈱入社
平成19年5月 ㈱ベイカレントコンサルティング入社
平成19年12月 当社入社
平成20年4月 当社経営企画室長就任
平成21年3月 当社管理本部長就任
平成21年6月 当社取締役就任
平成26年4月 当社代表取締役社長就任(現任)