日本病院会、「地域医療再生に関するアンケート調査」の結果を公表

一般社団法人日本病院会(会長:堺常雄先生)は5月28日、ホテルオークラ東京にて平成28年度社員総会を開き、平成27年度の事業報告・決算報告を行うとともに、新理事の専任等の議案を提出、承認を受けました。

社員総会後の記者会見社員総会後の記者会見には、堺会長、今泉暢登志副会長、塩谷泰一常任理事の3氏が出席。平成27年10月1日~11月20日に日本病院会の会員病院に対して実施し、664病院から回答を得た、『地域医療再生に対するアンケート調査』の結果について報告を行いました。

日本病院会地域医療委員会委員長、塩谷常任理事は、同調査の分析結果で得られた認識として、以下の3点を示しました。

(1)医師の地域偏在は依然として拡大傾向にあり、地方病院では不足感が増大している。
(2)「医師の計画配置」等、規制的手法が検討されているが、その賛否には温度差がある。
(3)勤務医の勤務環境の改善は進んでおらず、医療現場は疲弊している。

(1)「勤務医の地域偏在」の問題については、「5年前と比較して常勤医は増加したか?」との設問に対して、「政令指定都市・中核市」の病院では65%が「増加した」と回答したのに比して、「郡部・町村」の病院では「増加した」との回答は28%に留まり、43%が減少に転じたと回答し、地域偏在が悪化していると指摘しました。

(2)「医師不足解消に向けた規制的手法への賛否」については、「どのような勤務医不足解消案に賛成か?」との設問に対して、「医師の計画配置」に70%の回答者が賛意を示す一方で、「管理者要件の設定」は36%、「保険医定員制の設定」は14%の賛成に留まる等、規制的手法の内容については、賛否が大きく分かれる結果となりました。

(3)「勤務医の勤務環境」については、「時間外勤務が月80時間を超える医師が病院に存在するか?」との設問に対して、42%の病院が「存在する」、「労働基準局から是正勧告を受けたことがあるか?」との設問には25%の病院が「ある」と回答し、「日本の医療は労働基準法違反を前提として成り立っていると思うか?」との設問には、47%が「思う」と回答する等、勤務医の過重労働によって地域医療が維持されている現状が浮き彫りとなりました。

堺会長この結果を受けて、堺会長は、「医師不足は依然として厳しい状況にある」との認識を示した上で、医師の計画配置等、規制的手法については「職業選択の自由」との整合性をいかに保っていくかが問題となるため、議論の進展を待ちたいと延べ、「総合診療医の育成や、大学の地域枠の勤務年限・勤務先病院の基準統一化、医師の偏在解消に向けた施策を厚生労働省に働きかけていく」との意思を表明しました。

医師偏在解消に向けた議論の進捗とその行方、日本病院会の問題解決に向けた活動に注目が集まっています。

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